洋上風力発電所の導入に関しては、科学的知見の充実を図るため、事業者の事業実施や継続に係る予見可能性を確保しつつ、工事中及び稼働中における実際の環境影響を把握するためのモニタリングを実施することが重要と考えられます。
環境省と経済産業省は、「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会」を2024年7月に設置し、事業者の予見可能性の確保の観点を踏まえ、海外の動向や最新の科学的知見を基に、国と事業者の役割分担を含めたモニタリングの内容、環境配慮の確保に向けたモニタリング結果の活用方法等について検討を進め、「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン(案)」を作成しました。
このガイドラインにつきパブリックコメントが実施されています。
洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン(案)【抜粋】
■モニタリングの進め方
我が国における洋上風力発電事業の実施に当たっては、国が事前に区域を指定し、当該区域内で事業を実施していく枠組み(※)としている。当該区域内において洋上風力発電事業を実施する事業者により、個別事業の環境影響評価が実施され、環境影響評価やその他の手続が完了したところで工事が実施され、工事が完了し、発電所が稼働する流れとなる。
※都道府県条例に基づく海域の占用許可を受けて実施する洋上風力発電事業については、事業者が任意に区域を設定している。
洋上風力発電事業において適正な環境配慮を実現するために行う順応的な取組には、事業者が行うもの(モニタリング結果の個別事業における活用)と国が行うもの(環境影響評価制度も含む洋上風力政策への活用)がある。
<事業者が行うモニタリングを活用した順応的な取組のフロー図>
■モニタリングの項目
事業者が行うモニタリングは、洋上風力発電所に係る環境影響評価における予測の不確実性の程度が大きいと考えられるもののうち、事業の実施に当たり、事業実施区域の海洋環境へ影響を及ぼす要因となるインパクトをモニタリングするものと、それに伴い影響を受けるレスポンスをモニタリングするものに区分される。
ア 要因モニタリング:影響の要因となるデータを取得するモニタリング
イ 影響モニタリング:影響のデータを取得するモニタリング
モニタリングには、直接的に含まれないが、モニタリングデータを分析するために必要となる基礎データを合わせて取得することが必要である。
ウ 基礎データ:モニタリング調査の結果を分析する上で必要となるデータ
<洋上風力発電における事業者が行うモニタリングの対象となりうる項目>
スケジュール
【期間】2025年6月17日~7月17日
出典
〇e-GOV>「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン(案)」に関する意見の募集(パブリックコメント)について