2015年から容器包装に入れられた一般用加工食品及び一般用添加物には、食品表示基準に基づき、栄養成分の量及び熱量の表示(栄養成分表示)が義務付けられています。食品表示については、食品表示基準において容器包装の見やすい箇所に行うこととされていますが、実際の栄養成分表示の表示箇所は容器包装の裏面とされることが一般的です。
諸外国では、栄養成分表示の見にくさや分かりづらさを補足する取組として包装前面栄養表示が導入されており、2021年 11 月のコーデックス委員会において、包装前面栄養表示ガイドラインが採択されました。
他方、2024年度に「21 世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第三次))」が開始され、健康・栄養政策において、健康的で持続可能な食環境づくりが推進されているところです。
こうした状況を踏まえ、2024年度から消費者庁に「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」が設置され、我が国の包装前面栄養表示について「日本版包装前面栄養表示ガイドライン」の案が作成されました。
このガイドラインの内容についてパブリックコメントが行われています。
ガイドラインより抜粋
消費者庁が⽰す⽇本版包装前⾯栄養表⽰に⽤いる様式は、図1のとおりである。本様式は、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭⽔化物及び⾷塩相当量の⽂字並びにそれぞれの数字を記載する枠内に加え、枠外上段「1⾷分(○○)当たり」及び枠外下段「%は 1 ⽇の摂取⽬安に対する割合」の⽂⾔で構成している。当該様式を参考にして、⾷品の容器包装の前⾯等の消費者が⾒つけやすい箇所に表⽰する。

⽇本版包装前⾯栄養表⽰に⽤いる⾷品単位の設定については、当該⾷品の1⾷分とし、当該1⾷分の量(例:○本、○袋などの個数⼜は○gなどの重量等)を併せて表⽰する。
なお、当該1⾷分の量については、消費者が当該表⽰を利活⽤しやすい⾷品単位となるように、○本、○袋などの個数とすることが望ましい。⾷品単位については、栄養成分表⽰と⼀致させることが望ましいが、困難な場合は、少なくとも⽇本版包装前⾯栄養表⽰に⽤いる⾷品単位については、当該⾷品の1⾷分とする。
また、⾷品単位については、横向きの場合は、⽇本版包装前⾯栄養表⽰の様式の左上に表⽰することを原則とするが、困難な場合は、同様式の近接した箇所に表⽰する。この場合においても、⽇本版包装前⾯栄養表⽰の様式と⾷品単位は必ず容器包装上の同⼀⾯に表⽰する。(3)栄養成分等の量
⽇本版包装前⾯栄養表⽰に表⽰する栄養成分等の量については、栄養成分表⽰と同様に販売される状態における可⾷部分の栄養成分等の量を表⽰し、栄養成分表⽰の値と⼀致させることが望ましい。ただし、販売時と摂取時の栄養成分等の量にかい離が⽣じる⾷品については、⽇本版包装前⾯栄養表⽰に表⽰する栄養成分等の量を摂取時の状態における栄養成分等の量とすることが可能である。この場合の考え⽅については、「6 販売時と摂取時の栄養成分等の量にかい離が⽣じる⾷品の取扱い」を参照すること。
(3)栄養成分等の量 (略)
(4)栄養素等表⽰基準値に占める当該量の割合 (略)
(5)表⽰位置
⽇本版包装前⾯栄養表⽰の表⽰位置は、⾷品の容器包装の前⾯であり、主要⾯(通常、商品名が記載されている⾯)を原則とする。ただし、容器包装の前⾯が明らかでないものやスーパーマーケット等で⾷品を陳列した状態において容器包装の前⾯が⾒えにくくなることが想定されるものについては、消費者が⾷品を選択する際に、容器包装の⾒つけやすい箇所に表⽰する。
(6)様式に⽤いる⽂字 (略)
(7)様式に⽤いる⾊ (略)
(8)⽇本版包装前⾯栄養表⽰の例
⽇本版包装前⾯栄養表⽰の例は、図2のとおりである。
なお、ペットボトルなどの縦⻑の容器包装においては、消費者における⽇本版包装前⾯栄養表⽰の利活⽤のしやすさの観点から、⽇本版包装前⾯栄養表⽰を縦向きに表⽰することが可能である。
スケジュール
【期間】2025年9月22日~10月21日