「大気汚染防止法施行規則等の一部を改正する省令案」「設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者の一部を改正する告示案」及び「特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物の一部を改正する告示案」についてパブリックコメントが行われます(2023年3月14日~4月13日)。
2020年6月に公布された「改正大気汚染防止法」により、「建築物等」の解体等工事における石綿有無の事前調査に関する規制が強化され、事前調査の信頼性確保のため、知識を有する者による調査を行うことが規定されました。(2023年10月1日施行予定)
今般、「工作物」の解体等工事に係る事前調査についても、一部の場合を除き、当該調査を適切に実施するために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者に行わせなければならないこととする等、施行規則、関連告示の改正が行われることとなりました。
※解体等工事:解体、改造又は補修作業を伴う建設工事
目次
改正案の概要
1.大気汚染防止法施行規則
- 「大気汚染防止法施行規則」第 16 条の5を改正し、工作物に係る解体等工事を行う場合の事前調査について、適切に調査を実施するために必要な知識を有する者に行わせなければならないこととする
- ただし、石綿等が使用されているおそれが高いものとして環境大臣が定める工作物以外の工作物の解体等の作業に係る事前調査については、塗料その他の石綿等が使用されているおそれのある材料の除去等の作業を伴うものに限る
2.設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者
- 「工作物」の事前調査を適切に実施するために必要な知識を有する者について、以下に掲げる工事の区分に応じ、それぞれ以下の者とする。
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- 「特定工作物告示」第1号から第5号まで及び第7号から第 11 号までに掲げる工作物に係る解体等工事
反応路、加熱炉、ボイラー及び圧力容器、配管設備、焼却設備、貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)、発電設備(太陽光・風力発電設備を除く)、変電設備、配電設備、送電設備
- 建築物石綿含有建材調査者講習等登録規程 第2条第5項の工作物石綿事前調査者
- 「特定工作物告示」第6号、第 12 号から第 16 号まで及び特定工作物告示の一部を改正して新たに設ける第 17 号に掲げる工作物(観光用エレベーターの昇降路の囲いに係る解体等の作業又は一部改正後の特定工作物告示に規定するもの以外の工作物の解体等の作業のうち塗料その他の石綿等が使用されているおそれがある材料の除去等の作業
煙突(建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除く)、トンネルの天井板、プラットホームの上家、遮音壁、軽量盛土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板、観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く)
- 上記1に掲げる者又は登録規程第2条第2項に規定する一般建築物石綿含有建材調査者、同条第3項に規定する特定建築物石綿含有建材調査者若しくはこれらの者と同等以上の能力を有すると認められる者
- 「特定工作物告示」第1号から第5号まで及び第7号から第 11 号までに掲げる工作物に係る解体等工事
3.特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物
- 特定工作物(特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定めるもの)として、以下のものを追加する
- 観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く。)
(出典)環境省「【概要】大気汚染防止法の一部を改正する法律案」
スケジュール
【パブリックコメント】2023年3月14日~4月13日
【公布】2023年5月中旬
【施行】2026年1月1日(上記1項、2項)、2023年10月1日(上記3項) ※関係省令の改正は公布の日から